2012年5月9日水曜日

メゾン・ド・ボウのケーキ達「ビクトリア・ケーキ」

今日は、メゾン・ド・ボウの定番ケーキの1つ「ビクトリア・ケーキ」のご紹介です。
ビクトリアン・ケーキと表記されることも多いですが、当店ではビクトリア・ケーキと呼んでいます。

このケーキの名前は、イギリスのビクトリア女王から来ています。
ご存知の通り、ビクトリア女王の治世は大英帝国の黄金期、政治・経済・文化・技術の様々な面でイギリスが躍進を遂げました。
一方、ビクトリア女王と言えば、夫アルバート公とのおしどり夫婦ぶりが有名で、彼が42歳で病死した後、10年間(!)喪に服したそうです。
塞ぎ込む女王を元気づけるために、側近たちが女王の好物の素材で作ったと言われるのがこのビクトリア・ケーキです。

このケーキ、バタースポンジケーキにラズベリージャムと生クリームをサンドした単純・素朴な構造ですが、バターの香りとラズベリーの酸味、生クリームの柔らかい舌触りで、重層感となんとも言えないエレガントさがあります。
一度食べるとやみつきになってしまい、繰り返しご注文下さるお客様もいらっしゃいます。実は、私もこれが一番好きです。

ちなみに当店では、発酵バターや隠し味を使い、より芳醇な香りに仕上げております。
ケーキが湿らないようにジャムと生クリームは、なるべくサーブする直前に挟むようにしているため、ケーキドームの中では、のっぺらぼうで寂しいです。(ジャムだけ挟んである場合もありますが。)最終形は、きつね色、白、赤の三色のコントラストが可愛らしいケーキなので、是非一度ご賞味ください。



ちなみにラズベリージャムは、チャールズ皇太子所有の農園で作られるオーガニックジャムを使用しています。
抑えた甘みと酸味が爽やかな絶品ジャムです。
色々なジャムを試しましたが、これに勝るジャムは今のところありません。
店内販売もしているので、ご家族のお土産に買って帰られる方も多いんですよ。