ラベル 紅茶のこと の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 紅茶のこと の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014年3月5日水曜日

13オータムナル マーガレッツホープ農園 ティッピークローナルカホ


 
ただ今、2013年オータムナルが入荷しております。
 
マーガレッツホープ農園 ティッピークローナルカホ。
とても好きな紅茶です。
 
私は紅茶でもワインでも日本酒でも、美味しいものをいただいた時には、マンガ「神の雫」よろしく、とある光景や物語、あるいは人のイメージがぱ~っと広がります。
 
オータムナルの紅茶はやはり、秋の森を歩いているイメージが多いです。
そして紅茶により、秋の森もさまざま。
まだ夏の気配が残る公園の木立だったり、足もとに枯葉が降りつもり、思わずコートの襟を立てたくなるような晩秋の森だったり。

カホは、よく晴れた秋の日に森を歩いていて、ふと高々とした青空を見上げると、見事に色づいた銀杏やポプラの葉が陽光を浴びて、黄金色の光を燦々とふりまいている。
そんな風に明るい、心がどこまでも澄んでいくような秋の光景が広がります。

さらにこのカホ、飲むたびに、飲みすすめるほどに、印象が変わっていくのもおもしろい。
揺らぎのある、次の姿を見たくて追いかけたくなる紅茶でもあります。

 
さっぱりわからん。具体的に表現せい。と思われた方。
飲めばわかりますよ、ぜひどうぞ。
少量ですので、お早めに。




ケーキ担当

 

 

 

2013年8月27日火曜日

ダージリン・セカンドフラッシュ入荷しました

ダージリンのセカンドフラッシュが、3種入荷しました。

キャッスルトン農園   ムーンライトダイアナ
サングマタールザム農園 ヤマダバリ
サングマタールザム農園 ユメコバリ

昨年はムーンライトダイアナのセカンドフラッシュを仕入れませんでした。
とても優しく、甘味が出ていて美味しかったのですが、
ボウの中で勝手に出来ていたムーンライトダイアナのイメージから
外れているような気がして。
美味しいのであれば、それはそれとして仕入れれば良かったかなぁと
ちょっと後悔しています。

今年のムーンライトダイアナはとっても骨太、ボウのイメージに完全合致。
溌剌とした草の香り、それとオレンジ系の果汁を思わせるような甘い香りが
はっきりと感じられます。
甘く、美しく、伸びやかな、弓矢を持って森林を駆け巡る月の女神の
イメージそのものです。

ユメコバリは、飲むと思わず「さすがっ」の一言!
今年のユメコバリは最初から男性的なモルト香とあのむせるような甘い花の香りのバランスがとれています。
一昨年のユメコバリは、花の香りが突出していて、時間を経て落ちつき
見事な纏まりを見せましたが。
ユメコバリに限らず、サングマ農園のレベルの高い紅茶を飲むと、
「均衡」と「洗練」が感じられるからでしょうか、
ルネサンス美術を思い出します。
またもや超個人的な例えです。
ワインのソムリエ試験では即不合格になりそう・・・

そして最後のヤマダバリ。
サングマ農園らしく、こちらもバランスに優れた紅茶です。
静かな力強さと落ち着きを感じます。
ユメコバリ同様に花の香りが感じられますが、楚々とした「白い系」の花の香りです。
モルト香は、深く、心地良い渋みがあって、思索というか物思いに耽るような。
やはりダンディーです。このダンディーさがヤマダバリなのです。

いずれの紅茶もレベルが高い!
甲乙つけがたい銘品です。
是非お試しあれ!




2013年6月19日水曜日

夏の紅茶

暑い・・・

ボウは暑いも寒いのも嫌いです。
常春か常秋の世界に住みたい。

しかし地球上にはそういう地域はありません。
「常」と付く場合は、常夏か常冬の世界しかないようです。
常春と常秋の世界に住みたい場合、
自分が移動するしかなさそう。

暑いときに飲みたくなる紅茶は
ヌワラエリヤやキャンディーなどのセイロン紅茶、
インド紅茶ならニルギリです。

暑いとアッサムの甘味やこくはちょっと重くてしつこく感じたりします。
ダージリンの華やかさも、ちょっとうざったいというか・・・。

セイロン紅茶にはダージリンなどとは趣を異にする上品さがあります。
香りも味わいも、楚々としてあっさりしています。
ボウがセイロンを欲する感覚は、
夏場に素麺を欲する感覚に似ているかもしれません。

自己主張が抑えられているので、
ケーキに合わせる場合も守備範囲が広いです。

シンプルなレモン系のケーキとか若干がちゃがちゃしたタルト系など
含め、なんでもござれの紅茶です。

ところで、因にレモン系ケーキには、
元祖レモンケーキ、レモンクリームケーキ、レモンポレンタケーキなど
色々あります。

今ご用意できるもはレモンクリームケーキ。
イタリアのレシピで作ったスポンジにレモンクリームを挟んだ
とってもシンプルなケーキ。

どうも、ボウは単純明快なものが好きなようで。
こちらもお気に入りの1つです。









2012年10月5日金曜日

良質なダージリンの個性を把握するには・・・

今日は気持ちの良い秋晴れですね。

お店に出頭?する前に、ブログの更新です。

ダージリンのセカンドフラッシュの追加入荷がございました。
今回入荷した銘柄は「サングマ農園カクラムスク」です。

ところで、仕入れの際、試飲でなんらかの(勿論ポジティブな)印象を
受けた紅茶を絞り込んで仕入れています。

ここで難しいのが、美味しい紅茶ほど
その特徴を具体的な言葉にすることが難しい・・・

良い紅茶は様々な香りや味の要素のバランスがとれています。
つまり何かの要素が突出しません。
よって、第一印象としては「美味しい!」のですが、
バランスがとれている、という以外になぜ美味しいのか、
をうまく説明できないのです。

セカンドフラッシュの場合、モルト、ムスクの香り、植物、
柑橘系のニュアンス、ときに香ばしさなどがバランスよく纏まっています。
でも、すべての紅茶が同じ比率で纏まるわけではないので、
なんらかの要素の強弱はあるはず。

その強弱を把握することが、その紅茶の個性を理解する
第一歩かなと思っております。

本銘柄も例によって、バランスがとれており、
優しく、柔らかくとても洗練された印象を持ちます。

名前のとおり、ムスクの香りはかなりはっきりと感じられます。

しかしそれだけでなく、「清廉な花の香り」
というには少し強い、或はもう少し野性的ともいうべき香りが
同時に感じられます。

また、素晴らしいダージリンの紅茶には、
飲んだときにいきいきとした生命力や躍動感を感じます。
しかし、その中に「静」と「動」、或は「陰」と「陽」
に分類できると感じます。

カクラムスクは、「静」或は「陰」の側に入ると思います。

静かな森の奥にたたずんでいるような感じを受けます。






2012年9月10日月曜日

アフタヌーンティー

三段トレーのアフタヌーンティーセット。
この週末、ご予約を頂いた際に、
お客様にお願いしてパシャリと一枚撮らせて頂きました。

背景はアレカ椰子、6月頃は葉が黄ばんでしまって、
このままご臨終かと思いましたが、
生き延びました。

ちなみに、後からきた新入りは1週間で夭逝(?)
植木屋さんに若干のクレームを付けましたが
取り合ってもらえませんでした。

意外に、アレカ椰子は環境変化に強くないようで、
店中をアレカ椰子だらけにするという野望は
早い時期に打ち砕かれました。

さて、セットの中身はスコーン、ビクトリアケーキ、焼菓子、ゼリー。
そしてお決まりのきゅうりのサンドイッチとなっています。

当店のキュウリのサンドイッチは、爽やかさを出すために
ミントとレモンを効かせています。

今回のお客様はとても紅茶通なお客様で、
ご注文されたのはホワイトシャイニーディライトの
(春摘)ファーストフラッシュでした。

とてもエレガントな選択かもしれません。
キュウリのサンドイッチと、ホワイトシャイニーディライトの
草っぽさの相性が良かったのではないかと思います。

それと、ビクトリアケーキのような
シンプルなケーキにもマッチします。

ダージリンのファーストフラッシュは、
色が浅く、見た目が日本茶にとても似ています。
でも日本茶とは異なり酸化発酵させているため、
瑞々しさ、草っぽさ、柑橘っぽいニュアンスなど、
日本茶と一線を画す複雑みが出ます。

香りは華やか、味はあっさりの
ファーストフラッシュは、シンプルな洋菓子や、和菓子、
野菜系のサンドイッチなど、相手方にも一定のシンプルさを
求めますが、意外に守備範囲が広いと思います。

また、ホワイトシャイニーディライトのような特別な紅茶の場合は
紅茶単独でしみじみと味わうのもお薦めです。

セカンドフラッシュの銘柄はかなりころころ変わりますが
このホワイトシャイニーディライトだけは、
継続して、リストオンしていきたいと思います。


2012年8月27日月曜日

キャッスルトン農園マスカテル

キャッスルトン農園のマスカテルが入荷しました。

キャッスルトンはダージリンの中でも特に老舗感と高級感の強い農園です。
一昔前は、オークションで最高値がつけられる銘柄(多分ムーンライト・ダイアナ)をしばしば出していたそうです。


マスカテルは、本農園のチャイナ種(中国から植樹された木、或はその種から育てられた木)からつくられる茶葉の最高峰です。
ちなみにクローナル種(中国から植樹された木の挿し木により開発された木)の最高峰はムーンライト・ダイアナでしょう。


チャイナ種とクローナル種の違いをかなり単純化して説明すると
チャイナ種:出来が良い場合、複雑味と甘みが出るが、出来が悪いと雑味になる
クローナル種:良い場合はのびのびとした味わい、悪いと大味

だそうです。

たしかに、キャッスルトンのマスカテルは、甘いムスクの香り、果実味がしっかりと感じられます。また、全体的に淡い香ばしさを纏っていて、それが特徴的であり、全体の纏まりを作り出しているようです。
甘い香りの一方方向に流れず、一定の複雑味と繊細さも楽しめる逸品です。


もう1つの特徴は、じぃっと見ていると思わず惹き込まれそうな、オレンジを帯びた赤褐色の水色です。
夏の日の黄昏時を思わせるようで、この水色と香ばしさを含む甘い香りが郷愁を誘います。

ところで、今年のムーンライト・ダイアナのセカンドフラッシュは、素晴らしい出来であった2011年と比べると、ちょっと元気がない気がします。
仕入れについてはまだ考え中です。
この銘柄がお好きなお客様には申し訳ございません。


2012年8月18日土曜日

ダージリンセカンドフラッシュ

ダージリンのセカンドフラッシュ、すみません、とっくに入荷しております。
ご紹介がすっかり遅れてしまいました。

ダージリンは80を超える農園が、様々な銘柄の紅茶を作っています。
ですから、一口にダージリンと言っても、多種多様で、本当に奥深い世界があるのです。

この多用なダージリンの紅茶に接するたびに、紅茶屋さんをやっていることの喜びを感じます。

当店はリーフルダージリンハウスからダージリンを仕入れさせて貰っています。
今でこそ、ネット通販などで農園ごとにダージリンの茶葉が売られることを散見しますが、やはりその草分け的な存在はリーフルさんでしょう。

ダージリンの農園の茶葉をこれだけ幅広く取り揃えているインポーターさんは、
日本、いえ世界広しといえども、なかなか無いのではないかと思っています。

セカンドフラッシュの季節は長いので、この多種多様なダージリンの傑作や良品をなるべく沢山ご紹介したい、大げさな言い方かもしれませんが、それが当店が存在することの意義と考えております。

ちなみに8月は以下の銘柄をメニューリストに載せております。

マーガレッツホープ農園 マスカテル
マーガレッツホープ農園 ティッピークローナル
マーガレッツホープ農園 ホワイトシャイニーディライト
エデンベール農園    クイーンズディライト

今年のセカンドフラッシュは、全般的に水色も濃く、甘みが強く出ています。
とりわけマーがレッツホープ農園は過去5年で最高の出来とのこと。
うっとりするような濃厚なマスカテルフレイバーと柑橘の香りが感じられ、
どれも素晴らしい紅茶です。

中でもホワイトシャイニーディライトは格別。
甘みや柑橘系の香りに偏らず、ファーストフラッシュのときに感じられた爽やかさが残ります。
甘い香りは濃厚なものではなく、優しく桃蜜のようなものです。
ティーカップから、各要素が主張しすぎることなくバランスよく、揺らぐように湧き出てくる様は、まさに「マスターピース」といって過言でないでしょう。


クイーンズディライトは、これがセカンドフラッシュ?と思ってしまうような、薄い水色です。
柔念(茶葉を揉む作業)というプロセスを通さないため、茶葉が切れず大きくてふわふわです。
お一人様分の茶葉が他の茶葉の体積の3倍位になってしまうのでちょっと計量が大変。
出がらしの茶葉を見ると、美味しそうで思わず炒めて食べたくなってしまいそうです。

9月以降は、少し銘柄を入れ替えていきます。
サングマ農園やタルボ農園、キャッスルトン農園のセカンドフラッシュがお目見えです。







2012年5月17日木曜日

ダージリン・ファーストフラッシュ(春摘み)入荷しました

ダージリン好きのお客様、大変お待たせしました。
ファーストフラッシュがやっと入荷しました。
今年の春は世界的に冷え込みが続き、茶葉の新芽が育つのがとても遅れたそうです。

キャッスルトン農園のムーンライトダイアナ、サングマ農園のヤマダバリの2種を扱っております。

キャッスルトン農園もサングマ農園も、極めて優良な農園です。
キャッスルトン農園の茶葉は市場の最高値で取引されることもしばしば、またサングマ農園のユメコバリの茶樹はクローナルの最高峰と言われるそうです。

残念ながらユメコバリは、セカンドフラッシュしかございません。
ヤマダバリは、ユメコバリと同じ区画から取れたと言って良いような茶葉だそうですが、やはり樹が異なるため、ヤマダバリのファーストフラッシュとユメコバリのセカンドフラッシュの継続性のようなものは感じられません。

ところで、ユメコバリ(セカンド・フラッシュ)は、ダージリンらしい華やかさ、複雑さの他に、際立った柑橘系と無数の花を束ねたような甘い香りあります。
名は体を表すとは言いますが、まさに夢見心地の香りなのです。
お客様にこの紅茶をサーブすると、「うわー、良い香り!」という第一声が10回中9回までは聞こえてきます。
私も、試飲でこの香りに魅せられて即断で買ってしまいましたが、クローナルの最高峰という評価は後から知りました。

一方、ヤマダバリ(ファースト・フラッシュ)は、余韻の長さは共通して、ユメコバリ程の甘い華やかさはなく、逆に繊細さや透明感、そことない花や草の香り、渋み等のバランスのとれた「かっこいい」紅茶と感じます。

ファーストフラッシュは、全般的にセカンドフラッシュほどの力強さはなく、色も薄く、デリケートです。
実は嗅覚が弱い私など一生懸命クンクンしなければ、個々の特徴を感じることが難しい場合もあります。
収穫量が少ないのでお値段も高いし、この「そこはかとなさ」が、ファーストフラッシュの高貴さのゆえん・・・などと勝手なことを思っています。