2012年10月31日水曜日

バナナ・カラメルケーキ

久々にケーキのご紹介です。

すっかり秋らしくなってきたので、
季節もののケーキ、「バナナ・カラメルケーキ」です。

リンゴの タタンの中身がバナナにとって代わったような
イメージです。

カラメルゼされたバナナの飴色が、とても秋らしい。

カステラの底のほう、プリンの上のほう、
カラメル味が大好きなボウにとっては、
食欲そそられる逸品です。



2012年10月24日水曜日

裏切りのサーカス


最近みた映画が、とても良かったのでちょっとご紹介です。

ゲイリー・オールドマンのアップが渋いですね。

こちら、「裏切りのサーカス」(原題“ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ)、
東西冷戦下(1970年代)の英国が舞台となったル・カレ原作のスパイ映画です。

ストーリーの面白さは言うまでもなく、
抑制された知的な演出・演技がすごく良い、
また映像の技巧もとても興味深いです。

特に全編通して使われている青灰色のフィルター効果は分かりやすく効果的です。

その冴えなくて冷たい色彩は、
東西冷戦下、米ソ超大国の陰で政治的にも経済的にも威光を失った
英国の停滞感と閉塞感であり、
同時に、同僚、上司、部下までもが猜疑の対象となるような
諜報戦を繰り広げる登場人物達(スパイ達)の
孤独で晴れることない心象風景でもあるのかもしれません。

とにかく、この色彩効果のおかげで、観客もいっきに
映画が持つ沈滞ムードに引き込まれてしまうのです。

「組織に潜む二重スパイを暴く」という
老スパイ”スマイリー(オールドマン)”に課せられた任務は、
のろのろと、しかしリアリティあるペースで進められます。
それを示すように、スマイリーがゆっくりと歩くシーンが
何度も登場します。

ところでオールドマンとはこんなに姿勢の良い役者だったでしょうか。
幾度となく表れるその「歩く」シーンの中で、心に残るは彼の姿勢の正しさです。
スマイリーという人物の、冷静さや実直さを表しているのかもしれませんが、
「諜報」という精神的拠り所のない世界に長く居ながら、
道を誤らせない静かな道徳観が、その正しい歩き姿に
何よりも象徴されていると思えてなりません。

2012年10月22日月曜日

生け花

メゾン・ド・ボウの住人(?)は植物が好きです。

開店当初は、花を買って来ては生けていました。
でも、切花は、常に状態に目を配り、
枯れそうになる前に新しいのを仕入れてくるのが結構面倒くさい。
(ボウは、名うての面倒くさがりやです。)

しばらくするうちに、買い替えの必要のない鉢植えにとってかわられました。

5月にやってきた小型のアレカ椰子は、なんとか生き続けています。
でもちょっと葉っぱがスカスカになってきたような・・・





2012年10月15日月曜日

ビーフストロガノフ

改めてビーフストロガノフのご紹介です。
今日は写真入り。



具材は、シンプルに牛肉、マッシュルーム、玉葱のみ。

牛肉は千葉県産の牛すね肉(A5級)です。
和牛はやっぱり美味しい、お客様に出す前に試食でなくなってしまいそうです。

このストロガノフは、赤ワインをどぼどぼと使い、
コトコトと長時間煮込みます。
だから、とても柔らかくなります。

玉葱はブラウンの半歩手前くらいまで炒めます。
だから、全身が玉葱くさくなります、、

う〜ん、でも、こうして見るとやっぱり美味しそう(自画自賛)。

この形が出来上がるまで、
複数の牛肉を使ってみたり、
ビーフストロガノフが美味しいという評判のバーに
視察がてら飲みにいったり、
若干の散財がございました(涙)。

一部のお客様から、「カムバック、白ワインカレー」の
熱いコールを頂いておりますが、
当分は、このストロガノフをランチのメジャーメニュー(他に何が・・・?)
としてご提供したいと思います。

是非ご賞味くださいませ。







2012年10月5日金曜日

良質なダージリンの個性を把握するには・・・

今日は気持ちの良い秋晴れですね。

お店に出頭?する前に、ブログの更新です。

ダージリンのセカンドフラッシュの追加入荷がございました。
今回入荷した銘柄は「サングマ農園カクラムスク」です。

ところで、仕入れの際、試飲でなんらかの(勿論ポジティブな)印象を
受けた紅茶を絞り込んで仕入れています。

ここで難しいのが、美味しい紅茶ほど
その特徴を具体的な言葉にすることが難しい・・・

良い紅茶は様々な香りや味の要素のバランスがとれています。
つまり何かの要素が突出しません。
よって、第一印象としては「美味しい!」のですが、
バランスがとれている、という以外になぜ美味しいのか、
をうまく説明できないのです。

セカンドフラッシュの場合、モルト、ムスクの香り、植物、
柑橘系のニュアンス、ときに香ばしさなどがバランスよく纏まっています。
でも、すべての紅茶が同じ比率で纏まるわけではないので、
なんらかの要素の強弱はあるはず。

その強弱を把握することが、その紅茶の個性を理解する
第一歩かなと思っております。

本銘柄も例によって、バランスがとれており、
優しく、柔らかくとても洗練された印象を持ちます。

名前のとおり、ムスクの香りはかなりはっきりと感じられます。

しかしそれだけでなく、「清廉な花の香り」
というには少し強い、或はもう少し野性的ともいうべき香りが
同時に感じられます。

また、素晴らしいダージリンの紅茶には、
飲んだときにいきいきとした生命力や躍動感を感じます。
しかし、その中に「静」と「動」、或は「陰」と「陽」
に分類できると感じます。

カクラムスクは、「静」或は「陰」の側に入ると思います。

静かな森の奥にたたずんでいるような感じを受けます。