2012年11月8日木曜日

日本美術の至宝

先日は、休暇を利用して上野公園を散策がてら
メトロポリタン美術館を観てきました。

今年は美術展の当たり年。
昨年地震・原発等の影響でキャンセルされた企画が
一気に実現したかのようで、
珠玉の美術展がひきもきらない状況です。

中でもボストン美術館の日本画展は一生忘れられない「体験」でした。

なぜか春の東京展を見損なって、8月の猛暑の中、
友人の車に載せられて、名古屋展を観に行ったボウでした。

体が蒸発してしまいそうな日照りの中、
車中の往復12時間、
美術館滞在時間1.5時間の強行突破、
でも、それだけの価値はあります。

目の当たりにした日本絵画の数々は圧巻のひとことです。
威風堂々の屏風絵から典雅な婦人像の小作品まで、
思わず、「返せ〜」と叫びたくなる傑作・佳作揃い。

こちらは、長谷川等伯の「竜虎図屏風」。








前期名古屋展のクライマックスの1つであり、
ボウのお気に入りでもあります。

おどろおどろしい空気を貫く張りつめた緊張感が良いですね。

このように竜がニョキッと首を出しそうな暗くどろどろとした空模様って
本当にありますよね。

雷が有名な某地方都市に生まれ育ったボウは
(駄洒落ではりません、念のため)
夏の夕暮れ時にその空を幾度となく見た気がします。

それは確かに、人知及ばぬ何かが宿っているような
神秘と畏怖を感じさせるものでした。

「日本美術の至宝」と呼ぶに相応しい名画の数々を観ていると、
このように素晴らしい絵画・素晴らしい才能が
自分の国にあったものかと、胸が一杯になります。

ソフト面が弱いと思われる日本の美術館事情を考えると
なんとも惜しい、国外に流出した事情を考慮しても
本当に返して欲しい。

名古屋の後は、北九州、大阪を回りボストンに戻るようです。

まだご覧になっておらず、行こうかどうか迷っている方は、
是非、是非観に行って欲しいものです。

ボストンは遠く、飛行機代が高いです。