ダージリン好きのお客様、大変お待たせしました。
ファーストフラッシュがやっと入荷しました。
今年の春は世界的に冷え込みが続き、茶葉の新芽が育つのがとても遅れたそうです。
キャッスルトン農園のムーンライトダイアナ、サングマ農園のヤマダバリの2種を扱っております。
キャッスルトン農園もサングマ農園も、極めて優良な農園です。
キャッスルトン農園の茶葉は市場の最高値で取引されることもしばしば、またサングマ農園のユメコバリの茶樹はクローナルの最高峰と言われるそうです。
残念ながらユメコバリは、セカンドフラッシュしかございません。
ヤマダバリは、ユメコバリと同じ区画から取れたと言って良いような茶葉だそうですが、やはり樹が異なるため、ヤマダバリのファーストフラッシュとユメコバリのセカンドフラッシュの継続性のようなものは感じられません。
ところで、ユメコバリ(セカンド・フラッシュ)は、ダージリンらしい華やかさ、複雑さの他に、際立った柑橘系と無数の花を束ねたような甘い香りあります。
名は体を表すとは言いますが、まさに夢見心地の香りなのです。
お客様にこの紅茶をサーブすると、「うわー、良い香り!」という第一声が10回中9回までは聞こえてきます。
私も、試飲でこの香りに魅せられて即断で買ってしまいましたが、クローナルの最高峰という評価は後から知りました。
一方、ヤマダバリ(ファースト・フラッシュ)は、余韻の長さは共通して、ユメコバリ程の甘い華やかさはなく、逆に繊細さや透明感、そことない花や草の香り、渋み等のバランスのとれた「かっこいい」紅茶と感じます。
ファーストフラッシュは、全般的にセカンドフラッシュほどの力強さはなく、色も薄く、デリケートです。
実は嗅覚が弱い私など一生懸命クンクンしなければ、個々の特徴を感じることが難しい場合もあります。
収穫量が少ないのでお値段も高いし、この「そこはかとなさ」が、ファーストフラッシュの高貴さのゆえん・・・などと勝手なことを思っています。