キャッスルトン農園のマスカテルが入荷しました。
キャッスルトンはダージリンの中でも特に老舗感と高級感の強い農園です。
一昔前は、オークションで最高値がつけられる銘柄(多分ムーンライト・ダイアナ)をしばしば出していたそうです。
マスカテルは、本農園のチャイナ種(中国から植樹された木、或はその種から育てられた木)からつくられる茶葉の最高峰です。
ちなみにクローナル種(中国から植樹された木の挿し木により開発された木)の最高峰はムーンライト・ダイアナでしょう。
チャイナ種とクローナル種の違いをかなり単純化して説明すると
チャイナ種:出来が良い場合、複雑味と甘みが出るが、出来が悪いと雑味になる
クローナル種:良い場合はのびのびとした味わい、悪いと大味
だそうです。
たしかに、キャッスルトンのマスカテルは、甘いムスクの香り、果実味がしっかりと感じられます。また、全体的に淡い香ばしさを纏っていて、それが特徴的であり、全体の纏まりを作り出しているようです。
甘い香りの一方方向に流れず、一定の複雑味と繊細さも楽しめる逸品です。
もう1つの特徴は、じぃっと見ていると思わず惹き込まれそうな、オレンジを帯びた赤褐色の水色です。
夏の日の黄昏時を思わせるようで、この水色と香ばしさを含む甘い香りが郷愁を誘います。
ところで、今年のムーンライト・ダイアナのセカンドフラッシュは、素晴らしい出来であった2011年と比べると、ちょっと元気がない気がします。
仕入れについてはまだ考え中です。
この銘柄がお好きなお客様には申し訳ございません。